独歩の湯

目次

1 世界的建築家が設計した新しい玄関口
2 湯河原の新名物“みかんスイーツ”と工場見学
3 湯河原が誇る２大パワースポット!
4 温泉街の中心に自然を感じられる渓谷
5 家族やカップルで楽しめる9つの足湯
6 湯河原ゆかりの芸術家の作品世界に触れる
7 漱石の小説にも登場する滝でマイナスイオン浴
8 絶対に買うべき湯河原のおすすめ土産3選

相模湾に面し、一年を通じて温暖な気候の湯河原。かの万葉集にも詠まれ、古くから万病に効くと評判の温泉地です。

明治以降は、にぎやかな箱根・熱海とは違った静けさを求め多くの文人墨客が訪れました。この地を舞台にした作品も多く残されています。今もその風情は受け継がれ、隠れ家的な宿が多いことでも知られています。

そんな湯河原の魅力を満喫できる最新＆定番スポットを、湯河原のスポークスマンこと湯河原温泉観光協会の久能木孝一さんに案内してもらいました。

世界的建築家が設計した新しい玄関口

東京駅から東海道線の快速アクティーで約１時間半。湯河原駅で待ち合わせた久能木さんがまず案内してくれたのは「駅前広場」。2017年10月1日にリニューアルオープンしました。

「前から温泉地の駅なのに駅前広場が殺風景ではないかと言われていました。そこで、温泉に来たぞ!と思ってもらえるような駅前広場を作りました」

設計は新国立競技場などを手がける世界的建築家・隈研吾さん。屋根には木をふんだんに使い、広場中央には足湯ならぬ“手湯”も。もちろんお湯は天然温泉。

ウェルカムドリンクならぬウェルカム温泉です。

足湯ならぬ“手湯”もありますよ!と久能木さん。

手湯はもちろん天然温泉!

Wi-Fiも完備!

こちらは、かつて湯河原一帯を治めた武将・土肥実平の像です。

名称　湯河原駅前広場
所在地　神奈川県足柄下郡湯河原町JR湯河原駅前
アクセス　電車：JR東海道線快速アクティーで東京駅より約１時間30分
車：東名高速厚木ICより車で小田原厚木道路経由約１時間20分

湯河原の新名物“みかんスイーツ”と工場見学

贈答用アソートクッキーメーカー「ちぼり」の本社直営施設、湯河原スイーツファクトリー。

続いて久能木さんが案内してくれたのは、JR湯河原駅から歩いて３分の「湯河原スイーツファクトリー」。贈答用アソートクッキーメーカー「ちぼり」の本社直営施設で、2017年11月3日にオープンしました。

“五感で楽しむ”がコンセプトというだけあって、入った瞬間、お菓子の甘い香りに包まれます。カフェや食育体験コーナー、ミニ工場見学コースなども併設しており、特に小さな子供連れに喜ばれそうです。

「地元の湯河原みかんを使った限定スイーツや湯河原の特産品も置いているので、お土産を買いに立ち寄るお客様も多いですよ」

湯河原に新しくできた体験型の観光名所です。

500円でクッキーが60分食べ放題!

湯河原のみかんを使ったお菓子のお土産もズラリ!

そのほか湯河原の特産品もたくさん置いてますよ!

キッズスペースには絵本やおもちゃもありました。

お菓子作りなどの食育体験も実施。

カフェも併設。

湯河原産のみかんや牛乳を使ったシャーベットも食べられますよ。

そして2階は工場見学コース。

食品工場といえばコレ!エアシャワーをまず体験。

お菓子作りに使われる道具が展示されています。

実際に作っているところも見ることができます。

ちゃんと子供用の踏み台も!

ロボットも導入してるんですねえ。

久能木さんも興味津々!

わぁ、クッキーの川だ!

クッキーづくりについて学べるエリアもありました。

名称　　　湯河原スイーツファクトリー
所在地　　神奈川県足柄下郡湯河原町土肥1-15-4
電話　　　0465-63-0404
営業時間　10:00〜18:00　定休日なし(年数日のメンテナンス休日あり)
アクセス　車：西湘バイパス石橋ICより車で約30分
電車：JR湯河原駅より徒歩約３分
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湯河原が誇る２大パワースポット!

古くは万葉集にも記録が残っている湯河原。由緒ある神社仏閣が多いことでも知られています。中でも、近ごろパワースポットとして話題の場所に、久能木さんが案内してくれました。

まずは、湯河原駅から車で３分ほどの場所にある「五所神社」。約1300年の歴史を持つ、湯河原の総鎮守です。

「境内にある樹齢約850年の“御神木の楠（くすのき）”が、若い女性の間でパワースポットとして話題。ぜひ直接触って、パワーを授かってください」

なんと樹齢850年!

御神木に直接触れるのは珍しいんです。

この枠の中で写真を撮るとパワーが倍増するかも!?

名称　　　五所神社（御神木の楠）
所在地　　神奈川県足柄下郡湯河原町宮下359-1
アクセス（１）JR湯河原駅より奥湯河原または不動滝行きバス「五所神社」下車
（２）JR湯河原駅より徒歩約13分
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続いては、五所神社から車で約3分。県境である千歳川を越えてすぐの丘の上にある福泉寺の「首大仏」です。

「もともとは名古屋城にあり、戦後にこの福泉寺にやってきたそうです。陶製の釈迦像で、なぜここにやって来たのか、胴体の方はどこへいってしまったのか、いずれも分かっていません。謎に包まれている分、パワーもすごいですよ」

肩から上だけで2m以上。全身だったらどれくらいの高さに?

ちなみに県境の千歳川にはこんな表示がある橋も。湯めぐりとともにパワースポットめぐりも楽しんでみてはいかがでしょう。

名称　　　福泉寺（首大仏）
所在地　　静岡県熱海市泉191-1
アクセス（１）JR湯河原駅より奥湯河原または不動滝行きバス「泉入口」下車
（２）湯河原駅から徒歩17分

温泉街の中心に自然を感じられる渓谷

「湯河原に来たらここは絶対外せません」と久能木さんが言うのは、町の中心部にある「万葉公園」。千歳川沿いにあり、自然の地形を活かした遊歩道が整備されています。

園内には万葉集に詠まれているツバキなどの万葉植物が植栽されており、歌人気分で渓谷散歩を楽しむことができます。

「毎年6月上旬から中旬にかけて、飛び交うゲンジボタルを鑑賞できる『ほたるの宴』というイベントが開催されます。大勢の人で賑わいますが、平日なら比較的空いていますので、ぜひホタルによる自然のイルミネーションを見に来て下さい」

万葉公園の入り口。湯河原について記された万葉集の句碑が目印。

トンネルを抜けると、そこには……

人工の滝が!

奥にももう一つ。合わせて２つ滝があります。

まさに渓流。温泉街の中心にあるとは思えません。

川沿いには昔の旅館の露天風呂の跡が。丸見え!

万葉植物が植えられている花木園。

代表的な万葉植物のツバキが咲いていました。

「あ、ちょっと見て下さい!」と久能木さん

カジカカエルのオタマジャクシが。初夏にはホタルも見られます。

名称　　　万葉公園
所在地　　神奈川県湯河原町宮上566
アクセス　JR湯河原駅より奥湯河原または不動滝行きバス「落合橋」下車

家族やカップルで楽しめる9つの足湯

万葉公園をぶらり散策しながらたどり着いたのが「独歩の湯」。地理風水を応用して日本列島をイメージした施設内に、さまざまな効能をもつ9つの足湯があります。

「底の部分に色々工夫がされているので、ぜひ立って歩いてみて下さい。足ツボ効果で旅の疲れも吹き飛びますよ」

服を脱ぐ必要が無いので、家族連れやカップルでも気軽に湯めぐりが楽しめます。湯上がりには別料金で足裏マッサージも。ちなみに「独歩の湯」という名前は、湯河原にゆかりのある文豪・国木田独歩にちなんでいます。

ロッカーにはちゃんとサンダルが!

さあ、どれから入ろうかな!

足湯女子発見!

久能木さんも気持ちよさそう!

名称　　　独歩の湯
所在地　　神奈川県湯河原町宮上704（万葉公園内）
電話　　　0465-64-2326
営業時間　10:00～18:00（11月～2月は17:00閉園）、毎月最終木曜日休み（祝日の場合はその前日）
料金　　　大人300円／小･中学生200円
アクセス　JR湯河原駅より奥湯河原または不動滝行き「落合橋」下車
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湯河原ゆかりの芸術家の作品世界に触れる

多くの小説家や画家が愛した湯河原。ゆかりの作品世界に触れることができるのが「町立湯河原美術館」です。

1998年に老舗旅館「天城屋」を改装して開館。湯河原にゆかりのある作家の収蔵品を展示する「常設館」と併せ、2006年には日本画壇の第一線で活躍する画家・平松礼二さんの作品を展示する「平松礼二館」が新設されました。そして2018年３月24日に、ミュージアムカフェがオープン。

「作品も素晴らしいですが庭園も見事。芸術鑑賞の後はカフェでお茶をして、のんびり庭園散策してみてはいかがですか」

湯河原在住の現代日本画家・平松礼二さんの作品を展示する「平松礼二館」。

平松さんは文藝春秋の表紙も手掛けた有名な画家です。

ここでは表紙と使われた絵を見比べることができます。

「常設館」にはその他の湯河原ゆかりの作家の作品を展示。

代表格は、横山大観と並ぶ日本画家・竹内栖鳳。

栖鳳の得意なスズメのモチーフ。その価値は1匹で家が建つと言われたほど。

常設展の会場からは、老舗旅館・天野屋時代の庭園が。ここを定宿にした夏目漱石も見たかもしれません。

そして「湯河原十景」を制作中の平河礼二さんのアトリエも。

作業をしに来ることもあるそうなので、もしかしたらご本人と会えるかも!

館内には旅館だったころの面影が今も残っています。

旅館時代の看板。

2018年の３月にはミュージアムカフェもオープン!

お茶をした後は庭園を散策することもできますよ。

ちなみに足湯もありました!

名称　　　町立湯河原美術館
所在地　　神奈川県湯河原町宮上704
電話　　　0465-63-7788
営業時間　9:00〜16:30、水曜日休み（祝日の場合は開館））
料金　　　大人600円、小中学生500円
アクセス　JR湯河原駅より奥湯河原または不動滝行きバス「美術館前」下車
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漱石の小説にも登場する滝でマイナスイオン浴

最後に案内されたのは夏目漱石の絶筆「明暗」に登場する「不動の滝」。

滝の左側には身代わり不動尊、右側には出世大黒尊が祀られています。

「落差15ｍほどとそんなに高くありませんが、水量は豊富でなかなか迫力があります。マイナスイオンもたっぷりですよ」

眺めているとひんやりと清々しい空気に包まれます。ここは特に夏に来るといいでしょうね。

滝に行く途中には温泉の採掘所が。ここから各旅館に配湯されます。

川から湯気が出ているのを発見!

そこには温泉が沸いていました。河原に温泉が沸くから“湯河原”と呼ばれるようになったそうですよ。

名称　　　不動の滝
所在地　　湯河原町宮上750
アクセス　JR湯河原駅より奥湯河原または不動滝行きバス「不動滝」下車

絶対に買うべき湯河原のおすすめ土産3選

「美味しいものには目がない!」という久能木さんに、湯河原のおすすめグルメ土産を教えてもらいました。

●シュークリーム湯河原みかん味

1個184円

「湯河原スイーツファクトリー」の名物スイーツ。湯河原産みかんの果汁がたっぷりカスタードクリームに練り込まれています。甘いだけでなく、爽やかな酸味が、まさにみかんスイーツ!

名称　　　湯河原スイーツファクトリー
所在地　　神奈川県足柄下郡湯河原町土肥1-15-4
電話　　　0465-63-0404
営業時間　10:00〜18:00、定休日なし(年数日のメンテナンス休日あり)
アクセス　車：西湖バイパス石橋ICより車で約30分
電車：JR湯河原駅より徒歩約３分
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● おからドーナツ

1個120円〜

湯河原で人気の豆腐・ゆば専門店「十二庵」のおからを使った焼きドーナツ。油で揚げていないのでヘルシーです。冷凍できるので買いすぎても安心!写真はプレーン120円、湘南ゴールド150円、チョコレート150円、きなこ140円。

名称　　　十二庵
所在地　　神奈川県足柄下郡湯河原町宮上170-1
電話　　　0465-43-7750
営業時間　10:00〜18:00、水曜日休み
アクセス　JR湯河原駅より奥湯河原または不動滝行きバスに「宮上会館」下車
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● きび餅

16個入り770円〜

大正末期創業の「ゑふや本店」は“きび餅”一筋の老舗。「かながわの名産100選」にも選ばれました。挽きたてのきな粉の香り、もっちりした食感は、一度食べたクセになります。

名称　　　ゑふや本店
所在地　　神奈川県足柄下郡湯河原町宮上459
電話　　　0465-63-3301
営業時間　8:00〜18:00、水曜日休み
アクセス　JR湯河原駅より奥湯河原行きバス「見付町」下車
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静かな湯治場のイメージがある湯河原。実際に歩いてみると、土産店や観光客向けの飲食店はほとんどなく、確かにイメージ通りでした。

耳をすませば川のせせらぎがいつでも聞こえてきます。

1人、あるいは親しい人と、ゆっくり訪ねてみてはいかがですか。

湯河原について詳しくは……

湯河原温泉観光協会のホームページで。

湯河原の宿はこちら

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