<div id="toc_container" class="no_bullets">
 目次
 <ul class="toc_list">
 
 <li>
 <a href="#toc-1" class="toc-list">
 1
 哀愁漂う“おわら風の盆”とは
 </a>
 </li>
 <li>
 <a href="#toc-2" class="toc-list">
 2
 「おわら」の起源
 </a>
 </li>
 <li>
 <a href="#toc-3" class="toc-list">
 3
 「風の盆」の由来
 </a>
 </li>
 <li>
 <a href="#toc-4" class="toc-list">
 4
 地方（じかた）の魅力
 </a>
 </li>
 <li>
 <a href="#toc-5" class="toc-list">
 5
 踊りの変遷
 </a>
 </li>
 <li>
 <a href="#toc-6" class="toc-list">
 6
 残したい日本の音風景100選にも選定
 </a>
 </li>
 <li>
 <a href="#toc-7" class="toc-list">
 7
 11地区で異なる踊りを見比べる
 </a>
 </li>
 <li>
 <a href="#toc-8" class="toc-list">
 8
 前夜祭も見応えあり
 </a>
 </li>
 <li>
 <a href="#toc-9" class="toc-list">
 9
 アクセス情報
 </a>
 </li>
 </ul>
 </div>夏の祭事といえば、明るく賑やかなイメージが強いものですが、富山県富山市には一風変わった静寂と哀愁漂うお祭りが存在します。毎年9月1日〜3日におこなわれる「越中おわら風の盆」は、江戸時代から現代にいたるまで300年以上、日本の気候や歴史に育まれてきたちょっと珍しいお祭り。その魅力と見どころを、ご紹介しましょう。<h2 id="toc-1">哀愁漂う“おわら風の盆”とは</h2><img class="alignnone size-full wp-image-32868" src="https://yukotabi.static.yukoyuko.net/wp-content/uploads/2018/07/2_pixta_34608333_M.jpg" alt="赤い着物を着た女性の後姿" width="2000" height="1333" />「おわら風の盆」は、富山県富山市の八尾（やつお）地区に1700年頃から続くと言われている伝統的なお祭りです。ほかのお祭りとの大きな違いは、静かであるということ。毎年20万人以上の観光客が訪れるにもかかわらず、聞こえてくるのは、地方（じかた）と呼ばれる演奏と唄、そして踊り手の着物が擦れる音のみ。とくに賑やかしもなく、どこか粛々と踊りが続く様は、日本の夏が去っていく風情を映しているようでもあり、どこかミステリアスな空気感に包まれています。<h2 id="toc-2">「おわら」の起源</h2><img class="alignnone size-full wp-image-32869" src="https://yukotabi.static.yukoyuko.net/wp-content/uploads/2018/07/3_pixta_5596424_M.jpg" alt="おわらをする男女" width="2000" height="1333" />諸説様々あるなかで、1800年代頃に芸達者な人々が七五調の唄を新作し、唄の中に「おわらひ（大笑い）」という言葉を差しはさんで町内を練り廻ったのがいつしか「おわら」と唄うようになったという説や、豊年万作を祈念した「おおわら（大藁）」説、小原村の娘が唄い始めたからと言う「小原村説」などが語り継がれています。<h2 id="toc-3">「風の盆」の由来</h2><img class="alignnone size-full wp-image-32870" src="https://yukotabi.static.yukoyuko.net/wp-content/uploads/2018/07/4_pixta_1777652_M.jpg" alt="おわら風の盆のちょうちんが並んでいる" width="2048" height="1536" />二百十日（立春から二百十日目の日、九月一日頃）の前後は、台風がやってくる時節。昔から収穫前の稲が台風の被害に遭わないようにと、豊作祈願が行われてきました。その祭りを富山地方では「風の盆」と呼んできました。また、富山地方ではお休みのことを「ボン（盆日）」という習わしがあったと言われています。種まき盆、植え付け盆、雨降り盆などがあり、その「盆」に名前の由来があるのではないかとも言われています。<h2 id="toc-4">地方（じかた）の魅力</h2><img class="alignnone size-full wp-image-32871" src="https://yukotabi.static.yukoyuko.net/wp-content/uploads/2018/07/5_pixta_8052836_M.jpg" alt="地方をする和服を着た男女" width="2000" height="1333" />「おわら」に欠かせない役割を担っているのが、楽器と唄で奏でる独特な「地方（じかた）」。どことなく哀愁漂う音色は、「胡弓」のか細い高音に「三味線」の旋律と「太鼓」、「お囃子」が重なり合い、そこに「唄い手」が加わることで完成されます。その唄は、胡弓に似た高い音域と、息継ぎをしない独特な節回しが特徴的。唄が終わると「合いの手」と呼ばれる楽器だけの間奏が入りますが、唄の旋律とまったく異なる曲を演奏することは民謡では珍しいことと言われています。<h2 id="toc-5">踊りの変遷</h2><img class="alignnone wp-image-32872 size-full" src="https://yukotabi.static.yukoyuko.net/wp-content/uploads/2018/07/6_pixta_23992879_M.jpg" alt="編み笠を深く被り、顔を隠すように踊る男女" width="2000" height="1333" />そんな「地方」に合わせる踊りは、時代の流れとともに変化してきました。「おわら」も他の民謡と同様に元々は唄だけでしたが、次第に楽器が加わり、踊りが入ってきました。現在は、豊年を祈る「豊年踊り」（旧踊り）と、躍動的な「男踊り」、そしてしなやかで艶やかな「女踊り」（四季の踊り）と3通りの踊りがあります。男女ともに編み笠を深く被り、顔を隠すように踊るのが印象的で、表情が見えないことが見る者の想像をかき立てます。<h2 id="toc-6">残したい日本の音風景100選にも選定</h2><img class="alignnone size-full wp-image-32873" src="https://yukotabi.static.yukoyuko.net/wp-content/uploads/2018/07/7_pixta_11923237_M.jpg" alt="火防・流雪用水路「エンナカ」" width="1350" height="900" />「おわら風の盆」の開催区域である富山市八尾地区は、山の傾斜に石を積み上げて作られた坂の多く細長い町並みが特徴的です。趣きのある古い建物や、通りの両側に流れる火防・流雪用水路「エンナカ」が奏でる水の音は、1996年におわらの音色とともに「残したい日本の音風景100選にも選定」にも選定されています。情緒ある八尾町の町に数千の提灯が淡く浮かぶ風景は、日本人なら誰でもが懐かしさと郷愁を感じることでしょう。<h2 id="toc-7">11地区で異なる踊りを見比べる</h2><img class="alignnone wp-image-32878 size-full" src="https://yukotabi.static.yukoyuko.net/wp-content/uploads/2018/07/8_pixta_5424327_M.jpg" alt="傘を深くかぶり腕を大きく広げて踊る女性" width="2000" height="1333" />「おわら風の盆」は旧町と呼ばれる10地区と、町内外から移り住んだ人たちの計11支部でおこなわれます。支部ごとに、着物や踊り方などさまざまな特色があり、それらが一堂に会することはありません。だからこそ、巡り歩いて見比べる楽しさがあります。また元来、観光客に見せるためのお祭りではなかったため、屋台が沿道に並んだり、メインイベントが用意されていたりということもありません。そんな朴訥な雰囲気も、「おわら風の盆」の魅力と言えるでしょう。<h2 id="toc-8">前夜祭も見応えあり</h2><img class="alignnone size-full wp-image-32874" src="https://yukotabi.static.yukoyuko.net/wp-content/uploads/2018/07/9_pixta_5468630_M.jpg" alt="八尾曳山展示館にあるおわら風の盆の展示" width="2000" height="1324" />8月20～30日の毎日、八尾曳山展示館では前夜祭として「おわらステージ」が開催されます（有料）。踊り方教室や過去のお祭りの映像が披露されるなど、「おわら風の盆」の歴史を知ることができます。また、毎日交代で各町内の演舞を観ることもでき、充実した内容です。<img class="alignnone size-full wp-image-32875" src="https://yukotabi.static.yukoyuko.net/wp-content/uploads/2018/07/10_pixta_13468270_M.jpg" alt="おわら風の盆で踊る男女" width="1350" height="900" />いかがでしたか?　賑やかな夏のお祭りとは一味違う「おわら風の盆」は、観光客のために続けられている祭事ではなく、ひとつの文化としてこの地域で大切に育まれてきたものなのです。見る側の心得として、提灯の繊細な灯りと厳粛な雰囲気を大切にするためにも、撮影時のストロボは控えたいところ。また、人口の少ない町に大勢の観光客が押し寄せるイベントでもあるので、宿泊の予約はお早めに。そして、伝統的な楽器を守るためにも、雨天は中止となります。順延もありませんから、台風の多い季節の祭事だけに、今年も無事開催されることを祈りましょう。<h2 id="toc-9">アクセス情報</h2>期間中、電車は富山駅～越中八尾駅～猪谷駅間で臨時快速列車が出ています。また定期バス（富山地方鉄道）は、富山駅～八尾間の臨時便が運行されます（夜間）。周辺には臨時の駐車場やタクシープールも増設されますが、マイカーを含めクルマはあまりオススメできません。時期的に渋滞や混雑で時間が不安定であるうえに、会場は小さな町なので、できる限り電車やバスといった公共交通機関を使いましょう。電車の場合、JR富山駅から越中八尾駅まではおよそ25分。またバスの場合はJR富山駅から約45分、タクシーではJR富山駅から約20Kmで八尾に到着します。なお、1日・2日は15:00〜翌1:00まで、3日は18:00〜翌1:00まで八尾町全域が交通規制されます。交通規制以前に町内に入った車両は、規制後は午前1:00まで町内から出ることができません。また、規制区域内の道路はすべて駐車禁止です。もし体力に自身のある方でしたら、電車でゆっくりめに来て、夜から明け方まで非公式で続けられる踊りを見て回って、始発で帰るなんていうプランも案外良いものです。<table><tbody><tr><th>名称</th><td>越中おわら風の盆</td></tr><tr><th>開催場所</th><td>富山県富山市八尾町内各所</td></tr><tr><th>電話</th><td>076-454-5138（越中八尾観光協会）</td></tr><tr><th>開催期間</th><td>2018年9月1日（土）～9月3日（月）</td></tr><tr><th>料金</th><td>演舞場入場料：指定席3,600円、自由席2,100円　※8月1日発売</td></tr><tr><th>URL</th><td><a target="_blank" href="https://www.yatsuo.net/kazenobon/" target="_blank" rel="noopener">おわら風の盆行事運営委員会</a></td></tr></tbody></table>（2018年7月17日公開）富山の宿情報は<a target="_blank" href="https://www.yukoyuko.net/yado-area/L07/P19/S190002" target="_blank" rel="noopener">こちら</a>

この記事を気に入ったら

関連する記事