<img class="wp-image-26815 size-full" src="https://yukotabi.static.yukoyuko.net/wp-content/uploads/2018/06/image1-10.jpeg" alt="" width="1173" height="880" /> 環水公園で出港を待つソーラー遊覧船「sora」
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 目次
 <ul class="toc_list">
 
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 <a href="#toc-1" class="toc-list">
 1
 中島閘門で水のエレベーター体験
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 <a href="#toc-2" class="toc-list">
 2
 操作室で昭和にタイムスリップ
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 <a href="#toc-3" class="toc-list">
 3
 北前船時代の面影残す岩瀬の町並み
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 <a href="#toc-4" class="toc-list">
 4
 日本初のライトレールの旅も付いてくる
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 <a href="#toc-5" class="toc-list">
 5
 船でしか行けない富山の秘湯
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 </div>この連載では、クルーズ客船とフェリーの旅を紹介してきました。しかし、それらばかりが船旅ではありません。50人も乗れば満席になってしまうような小さな遊覧船でゆったりめぐる。そんな「小さな船旅」は、大きな船にはない豊かな風情がたっぷり詰まっています。今回紹介するのは、日本でも非常に珍しい体験ができる遊覧船の旅です。北陸新幹線が停車するJR富山駅。その北口から徒歩13分ほどで富岩運河環水公園に着きます。園内には「世界一美しい」と言われるスターバックスコーヒーがあり、昨年（2017年）開館したばかりの富山県美術館もすぐそば。この緑多き公園に船着き場があります。ここから富岩運河を北上し、富山湾に面した岩瀬カナル会館まで約1時間で結ぶ「富岩水上ライン」の遊覧船が見えます。土日祝のみ運航する「fugan（ふがん）」、平日運航の「sora（そら）」はいずれも定員55人。ソーラーパネル装備で、太陽の力も借りて走ります。「もみじ」は11人乗りのアメリカ製電気ボート。他の2隻に比べかなり小ぶりですが、日本では東京と富山でしか運航していないレアシップです。<img class="size-full wp-image-26816" src="https://yukotabi.static.yukoyuko.net/wp-content/uploads/2018/06/image2-4.jpeg" alt="" width="1173" height="880" /> 中島閘門の「水のエレベーター」。壁の黒ずんだ部分が下がった水位を示す<h2 id="toc-1">中島閘門で水のエレベーター体験</h2>公園を出発した遊覧船は、同乗したガイドの説明を聞きながら富岩運河をゆっくり進みます。両岸に春は桜、夏は緑の木々、秋には紅葉を眺めることができます。5本の橋をくぐると、前方に中島閘門が姿を現します。この中島閘門、富岩運河の上流側（環水公園サイド）と下流側（富山港サイド）に存在する2.5メートルもの水位差を調節する役目を果たしています。遊覧船は開いた門扉をくぐり、閘門内に入ります。やがて水位はみるみるうちに下がっていき、船の位置もどんどん低くなります。まるで「水のエレベーター」です。そして下流側の門扉が開き、船は富山港へ向けて動き出します。規模は全く違いますが、中島閘門と同じ機能を持つのが世界3大運河のひとつ・パナマ運河。中南米にあるパナマ運河へ、日本からゆくのは大変です。でも、水のエレベーターという、パナマ運河とまったく同じ体験を富山で味わうことができるのです。<img class="size-full wp-image-26817" src="https://yukotabi.static.yukoyuko.net/wp-content/uploads/2018/06/image3-5.jpeg" alt="" width="1024" height="768" /> 創建当時の姿で残る、大理石パネルの操作盤<h2 id="toc-2">操作室で昭和にタイムスリップ</h2>環水公園⇔中島閘門の往復コース（1,200円）のみに就航している「もみじ」は、富山港に向かわず、ここで引き返すことになります。でも、「もみじ」クルーズだけの特典があります。それが、中島閘門操作室の見学です。中島閘門は昭和の土木構造物（1934・昭和9年完成）としては、日本で初めて国の重要文化財に指定されています。操作室は、水位を調整して運河の船をスムーズに通行させる閘門をコントロールする場所のこと。操作室も1934年に建設されました。戦後、自動車社会となるにしたがい、富山の水運を支えてきた富岩運河は衰退します。同時に、この操作室も荒れるに任せ、人々から忘れ去られます。しかし、中島閘門が1998年に国の重要文化財に指定されると、操作室は2010年に創建当初の姿に復原されました。「もみじ」乗船者は下船して、内部を見学できます。みどころは大理石パネルの操作盤。芝浦製作所（いまの東芝の前身）の製造で、創建当初のものがそのままの姿で残されています。閘門の操作や治水のため、操作室には24時間体制で管理人が住み込んでいました。管理人が起居した8畳の和室や浴室も再現されています。見学していると、なんだか昭和の昔にタイムスリップしたような感覚にとらわれました。<img class="size-full wp-image-26818" src="https://yukotabi.static.yukoyuko.net/wp-content/uploads/2018/06/image4-4.jpeg" alt="" width="1200" height="900" /> 明治初期に建築された北前船廻船問屋の森家<h2 id="toc-3">北前船時代の面影残す岩瀬の町並み</h2>中島閘門を通過した遊覧船は、さらに運河を北上。やがて富山港に出ます。間もなく右折して岩瀬運河に入ると、古くからの港町・岩瀬の町並みが見えてきます。そして出港からおよそ1時間後、ゴールの岩瀬カナル会館に到着します。岩瀬カナル会館から運河にかかる岩瀬橋を渡れば、岩瀬大町・新川町通りに出ます。岩瀬港は江戸幕末から明治にかけて、北前船交易で栄えました。この通りには、国指定重要文化財の「北前船廻船問屋 森家」をはじめ、北前船時代の面影を残す雰囲気が濃厚。岩瀬では幕末維新へのタイムスリップも楽しめます。<img class="size-full wp-image-26819" src="https://yukotabi.static.yukoyuko.net/wp-content/uploads/2018/06/image5-5.jpeg" alt="" width="1173" height="880" /> 岩瀬浜と富山駅北を結ぶ富山ライトレールの愛称は「ポートラム」<h2 id="toc-4">日本初のライトレールの旅も付いてくる</h2>白エビなど富山の特産品が買える岩瀬カナル会館。ここから徒歩1分のところに富山ライトレールの岩瀬浜駅があります。富山ライトレールは日本初の本格的なLRT（次世代型路面電車システム）として、2006年に開業しました。岩瀬浜と富山駅北を15分間隔で結んでいます。実は環水公園から岩瀬カナル会館までのフルクルーズ乗船券（1,500円）には、このライトレール片道乗船券も付いています。終点の富山駅北はJR富山駅のすぐ目の前。およそ25分のライトレールの旅を楽しみながら、富山駅へ戻ることができます。<img class="size-full wp-image-26821" src="https://yukotabi.static.yukoyuko.net/wp-content/uploads/2018/06/pixta_10824579_M.jpg" alt="" width="1349" height="900" /> 温泉へのリバークルーズが楽しめる大牧温泉<h2 id="toc-5">船でしか行けない富山の秘湯</h2>富山で楽しめる小さな船旅を、もう一つご紹介しましょう。それが、庄川遊覧船による大牧温泉への船旅です。大牧温泉は源平合戦に敗れた平家の武将が発見し、戦いで負った傷を治したことに始まる「落人伝説」が残る秘湯です。かつてはここに村落がありましたが、1930年にダムが完成したことで村落は湖底に水没。温泉宿一軒だけがダム湖と切り立つ断崖の間に取り残されてしまいました。こうして、大牧温泉は「船でしか行けない秘境の一軒宿」と言われるようになり、日本の百名湯にも選ばれています。温泉を目指す片道30分のリバークルーズ。日本ではここだけのお楽しみです。<table><tbody><tr><th>名称</th><td>大牧温泉観光旅館</td></tr><tr><th>所在地</th><td>富山県南砺市利賀村大牧44</td></tr><tr><th>電話</th><td>0763-82-0363</td></tr><tr><th>アクセス</th><td>JR高岡駅より小牧堰堤行きバスで約1時間15分小牧堰堤下車、小牧ダムより庄川遊覧船で約30分</td></tr><tr><th>URL</th><td><a target="_blank" href="http://www.oomaki.jp/" target="_blank" rel="noopener">http://www.oomaki.jp/</a></td></tr></tbody></table>（2018年6月13日公開）富山県の宿情報は<a target="_blank" href="https://www.yukoyuko.net/yado-area/L07/P19" target="_blank" rel="noopener">こちら</a>

【連載】どっぷり船旅人生のススメ「第4回 富山のパナマ運河体験と船でゆく秘湯」

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