<div id="toc_container" class="no_bullets">
 目次
 <ul class="toc_list">
 
 <li>
 <a href="#toc-1" class="toc-list">
 1
 ロープウェイ利用でラクラク登山
 </a>
 </li>
 <li>
 <a href="#toc-2" class="toc-list">
 2
 花に足を止めながら歩く
 </a>
 </li>
 <li>
 <a href="#toc-3" class="toc-list">
 3
 絶景の「乳首山」山頂
 </a>
 </li>
 <li>
 <a href="#toc-4" class="toc-list">
 4
 温泉のあるくろがね小屋へ
 </a>
 </li>
 <li>
 <a href="#toc-5" class="toc-list">
 5
 一般非公開の源泉を見学
 </a>
 </li>
 <li>
 <a href="#toc-6" class="toc-list">
 6
 くろがね小屋で入浴し源泉を肌で確認
 </a>
 </li>
 </ul>
 </div>連載最終回を迎え、6月に友人たちと福島県にある安達太良山（あだたらやま、標高1,700m）に行ってきました。日本百名山の一つですが、ロープウェイを利用すれば初心者や家族連れでも比較的簡単に登ることができます。山頂近くの斜面に一部雪が残る一方、新緑は瑞々しく、花々は咲き乱れるという絶好の時期に訪ねることができました。<h2 id="toc-1">ロープウェイ利用でラクラク登山</h2><img class="wp-image-32377 size-full" src="https://yukotabi.static.yukoyuko.net/wp-content/uploads/2018/07/image2-4.jpeg" alt="ロープウェイ" width="1199" height="900" /> 10分ほどの空中散歩を楽しみますレンタカーで奥岳登山口まで向かい、周回ルートで日帰りハイキングをします。岳温泉の源泉見学に時間をたっぷり使いたかったので、登りをショートカットするために片道だけ「あだたら山ロープウェイ」を利用しました。片道1,000円、往復利用すると1,700円です。ロープウェイに乗っていたのはわずか10分ほどですが、この区間を歩くと1時間半ほどかかるそうです。標高1,350mの山頂駅に着いたら登山届を提出、トイレに行っていよいよ登山のスタートです。<img class="wp-image-32376 size-full" src="https://yukotabi.static.yukoyuko.net/wp-content/uploads/2018/07/image1-5.jpeg" alt="安達太良産" width="1199" height="900" /> 「ほんとの空」の下にある安達太良産。「乳首山」の別名も納得ですまずはメインの登山道から脇道へ5分ほどの薬師岳展望台へ。ここには高村幸太郎の「智恵子抄」でお馴染み、智恵子のいう「ほんとの空」の記念碑があります。空が広い、そして青い、ほぼ快晴、まさに「ほんとの空」が広がっています。安達太良山の山頂もよく見えます。「乳首山（ちちくびやま）」と呼ばれるのも納得の山容で、頂上部分だけポコっと飛び出ています。山頂の下にはまだ雪渓が残っています。<h2 id="toc-2">花に足を止めながら歩く</h2><img class="wp-image-32378 size-full" src="https://yukotabi.static.yukoyuko.net/wp-content/uploads/2018/07/image3-3.jpeg" alt="サラサドウダンとヤマキマダラヒカゲ" width="1280" height="961" /> サラサドウダンとヤマキマダラヒカゲ。山の花と山の蝶です山頂への登山道に戻り、最初は木道を進みます。頭上にはサラサドウダン、足元にはイワカガミと山の花が咲いていて、写真を撮りながら歩きます。後ろから追いついてくるハイカーに道を譲り、のんびりと進みます。<img class="wp-image-32379 size-full" src="https://yukotabi.static.yukoyuko.net/wp-content/uploads/2018/07/image4-5.jpeg" alt="歩道" width="1199" height="900" /> 最初は整備された木道を歩きます木道が終わると本格的な山道になります。といっても、そんなに険しい部分はありません。歩き始めてから40分ほどで仙女平分岐に着きます。座って休むのにちょうどいい石が点在しています。少し休憩していきましょう。ここからも山頂がよく見えます。<img class="wp-image-32380 size-full" src="https://yukotabi.static.yukoyuko.net/wp-content/uploads/2018/07/image5-5.jpeg" alt="山道" width="1199" height="900" /> 空が近づいてきたような気がします<img class="wp-image-32381 size-full" src="https://yukotabi.static.yukoyuko.net/wp-content/uploads/2018/07/image6-2.jpeg" alt="ムラサキヤサシオ越しの展望" width="1199" height="900" /> 振り返るとムラサキヤサシオ越しに展望が開けていました再び歩き始めると、傾斜が少し急になります。歩き始めは頭の上を覆っていた木々が、私たちの背よりも低くなってきました。おかげで視界が開け、振り返ると絶景が広がっています。何回も後ろを振り返り写真を撮りながら進みます。<img class="wp-image-32382 size-full" src="https://yukotabi.static.yukoyuko.net/wp-content/uploads/2018/07/image7-4.jpeg" alt="雪渓" width="1199" height="900" /> 雪渓の脇を通り過ぎてさらに登ります<h2 id="toc-3">絶景の「乳首山」山頂</h2><img class="wp-image-32383 size-full" src="https://yukotabi.static.yukoyuko.net/wp-content/uploads/2018/07/image8-2.jpeg" alt="山頂直下の広場" width="1199" height="900" /> 山頂直下の広場に着きました。山頂まであと一息下から見えた雪渓を右手に見て通り過ぎると、山頂直下の広場に出ます。仙女平分岐から再び40分ほどかかりました。ここまで来ると木は生えておらず、ところどころに石がゴロゴロとしています。ここにザックを置き、カメラだけ持って山頂へ向かいます。<img class="wp-image-32384 size-full" src="https://yukotabi.static.yukoyuko.net/wp-content/uploads/2018/07/image9-4.jpeg" alt="安達太良山の頂上" width="1200" height="900" /> 安達太良山の頂上。二等三角点があります山頂はポコンと突き出た岩山です。安達太良山の別名ともなっている「乳首」部分です。山頂までは一部鎖場もありますが、下から見上げて想像したよりも簡単に登れました。<img class="wp-image-32385 size-full" src="https://yukotabi.static.yukoyuko.net/wp-content/uploads/2018/07/image10-2.jpeg" alt="山頂から北側の眺め" width="1199" height="900" /> 山頂から北側の眺め。雪渓ではない白い部分が爆裂火口「沼ノ平」です山頂からは遮るものがない360度の眺望が楽しめます。磐梯山や吾妻山、猪苗代湖などです。北側には爆裂火口も一部見えます。山頂の景色を堪能して山頂広場に戻りました。まだランチには早い時間帯。このままくろがね小屋まで進むことにします。<img class="wp-image-32388 size-full" src="https://yukotabi.static.yukoyuko.net/wp-content/uploads/2018/07/image11-4.jpeg" alt="くろがね小屋に向けて下山" width="1199" height="900" /> くろがね小屋に向けて下山開始です来た道をほんの少し戻ったら、「峰の辻」の表示に従って左折して下っていきます。雪渓から解けだした水が小川のようになっているところを途中で渡りました。少し登り返すと「峰の辻」です。山頂広場からは所要30分弱。ここでも少し休憩しました。<img class="wp-image-32389 size-full" src="https://yukotabi.static.yukoyuko.net/wp-content/uploads/2018/07/image12-2.jpeg" alt="雪解け水の小川" width="1199" height="900" /> 雪解け水の小川を渡ります<h2 id="toc-4">温泉のあるくろがね小屋へ</h2><img class="wp-image-32390 size-full" src="https://yukotabi.static.yukoyuko.net/wp-content/uploads/2018/07/image13-3.jpeg" alt="くろがね小屋" width="1199" height="900" /> くろがね小屋が見えてきましたここから下山する道は二手に分かれます。左側はくろがね小屋、右側は奥岳登山口に戻る道です。私たちは左手へ。くろがね小屋までの道は滑りやすいザレ場もあり、初心者向けとはいえ、今回のコース中で一番歩きにくい部分です。まぶしいほどの新緑に癒され、花の写真も撮りながら、「峰の辻」から40分ほどで、くろがね小屋に到着しました。<img class="wp-image-32391 size-full" src="https://yukotabi.static.yukoyuko.net/wp-content/uploads/2018/07/image14-1.jpeg" alt="くろがね小屋" width="1199" height="900" /> くろがね小屋に入る前に左手で靴を洗いましょうくろがね小屋は通年営業の山小屋で、日帰り入浴できる温泉浴場があります。食堂ではカップヌードルや飲み物も売っています。私たちはお弁当を持参したので、小屋の外にある丸太に腰かけてランチにしました。<h2 id="toc-5">一般非公開の源泉を見学</h2><img class="wp-image-32392 size-full" src="https://yukotabi.static.yukoyuko.net/wp-content/uploads/2018/07/image15-2.jpeg" alt="一般非公開へ" width="1199" height="900" /> 立入禁止エリアに特別に入れてもらいました昼食後は一般には開放されていない岳温泉の源泉を見学させてもらいました。今回の山行にご一緒した温泉ライター、西村りえさんの企画で実現しました。源泉のメンテナンスを17年間も続けている湯守の武田喜代治さんが案内してくれます。<img class="wp-image-32393 size-full" src="https://yukotabi.static.yukoyuko.net/wp-content/uploads/2018/07/image16-3.jpeg" alt="源泉の一つ" width="1199" height="900" /> 源泉の一つ。パイプで源泉枡に集め岳温泉に送っていますその昔、江戸時代末期の1824年まで、岳温泉はこの源泉地の周辺にありました。その後、山崩れや火災などで温泉地が3回移転し、現在の岳温泉は源泉から約8Km離れたところにあります。引き湯した源泉が温泉街に届くまで所要40分。その間に57℃ある源泉が湯もみ状態となり、温度も下がって入りやすくなるのです。<img class="wp-image-32394 size-full" src="https://yukotabi.static.yukoyuko.net/wp-content/uploads/2018/07/image17-2.jpeg" alt="源泉" width="1199" height="900" /> 左寄り、板が立てかけてあるところの内部で源泉が湧いています。全部で15本ある源泉の一部を実際に見せてもらいました。山の斜面にある横穴状のところから温泉が湧いていて、穴には板を立てかけた上からむしろを被せ、さらに板で蓋にしてあります。硫化水素ガスが出ているため、ピチッと密封する蓋をすることはできません。<img class="wp-image-32395 size-full" src="https://yukotabi.static.yukoyuko.net/wp-content/uploads/2018/07/image18-2.jpeg" alt="源泉の位置を確認するための棒" width="1199" height="900" /> 雪が積もっている時期は、この棒を頼りに源泉の位置を確認します15本の源泉は3グループに分け、どの源泉も4週間に1回はパイプ内の清掃などのメンテナンス作業をするよう、ローテーションを組んでいるそうです。もちろん、メンテナンスは一年中実施しなくてはなりません。冬場に雪が積もっても源泉の位置が分かるように、目印の棒が立てられていました。源泉を一年中安定して供給する苦労が少し分かった気になりました。<img class="wp-image-32396 size-full" src="https://yukotabi.static.yukoyuko.net/wp-content/uploads/2018/07/image19-1.jpeg" alt="湯守の武田さん" width="1199" height="900" /> 湯守の武田さん（右）が詳しく説明してくれました武田さんによると、くろがね小屋と岳温泉で利用している温泉には違いがあるそうです。くろがね小屋で利用している源泉に、さらに別の源泉を足して岳温泉に送っているとうかがいました。武田さんは岳温泉用に足して利用している源泉のことを「荒い湯」と表現していました。<h2 id="toc-6">くろがね小屋で入浴し源泉を肌で確認</h2><img class="wp-image-32397 size-full" src="https://yukotabi.static.yukoyuko.net/wp-content/uploads/2018/07/image20-1.jpeg" alt="くろがね小屋の女湯" width="1199" height="900" /> くろがね小屋の女湯案内していただいた後、くろがね小屋で実際に入浴し、肌で違いを感じました。男女各一の内湯のみのシンプルな浴場です。岳温泉に比べて白濁が濃く、硫黄の匂いも強い（数時間後の帰宅後もしっかり体に残っていました）半面、浴感はマイルドに感じました。日帰り入浴は午前10時から午後3時まで、大人410円、子ども210円です。<table><tbody><tr><th>名称</th><td>くろがね小屋</td></tr><tr><th>所在地</th><td>福島県二本松市永田字長坂地内</td></tr><tr><th>電話</th><td>090-8780-0302　（衛星電話）</td></tr><tr><th>URL</th><td><a target="_blank" href="https://www.tif.ne.jp/kuroganegoya/" target="_blank" rel="noopener">http://www.tif.ne.jp/kuroganegoya/</a></td></tr></tbody></table>くろがね小屋からは、緩やかな道を下って奥岳登山口に戻ります。4WD車が通れる道なので急な傾斜はなく、散歩気分で歩ける道です。くろがね小屋から40分ほど歩いた勢至平（せしたいら）周辺はレンゲツツジが咲き始めていました。サラサドウダン、ベニサラサドウダンも咲いています。<img class="wp-image-32398 size-full" src="https://yukotabi.static.yukoyuko.net/wp-content/uploads/2018/07/image21-1.jpeg" alt="この日見た花々" width="900" height="900" /> この日見た花。左上から時計回りにベニサラサドウダン、レンゲツツジ、イワカガミ、イソツツジ。これでもほんの一部さらにぶらぶらと1時間半ほど歩いて奥岳登山口まで戻ったら、登山届のポストに下山届を提出してミッション完了です。奥岳登山口には日帰り温泉の「奥岳の湯」があります。もちろん、岳温泉にも日帰り入浴できる施設はいくつもあります。下山後に時間があれば、もう一度汗を流していきましょう。今回は特別なご厚意により岳温泉の源泉を見学させてもらえましたが、岳温泉観光協会は「湯守と行く源泉見学&空中散歩ツアー」を実施しています（有料）。私たちと同じルートで、ロープウェイを使って山頂駅から安達太良山の山頂まで登り、くろがね小屋で入浴、湯守の方の案内で源泉を見学して下山するルートです。今年（2018年）は7月29日、8月11日、8月19日、9月23日に実施されます。一般公開されていない岳温泉の源泉を見られる貴重な機会です。ご関心のある方は岳温泉観光協会にお問い合わせください。<table><tbody><tr><th>名称</th><td>岳温泉観光協会</td></tr><tr><th>所在地</th><td>福島県二本松市岳温泉1-16</td></tr><tr><th>電話</th><td>0243-24-2310</td></tr><tr><th>URL</th><td><a target="_blank" href="http://www.dakeonsen.or.jp/" target="_blank" rel="noopener">http://www.dakeonsen.or.jp/</a></td></tr></tbody></table>「ハイキングと軽登山で楽しむ温泉」の連載は今回が最終回です。ご愛読どうもありがとうございました。（2018年7月15日公開）福島・二本松の宿情報は<a target="_blank" href="https://www.yukoyuko.net/yado-area/L02/P07/S070001" target="_blank" rel="noopener">こちら</a>

この記事を気に入ったら

関連する記事