
満開の菜の花畑ではミツバチが忙しく働く姿も見られる
目次
梅の便りが届いても、まだまだ外は寒さが残る季節。春を迎えに房総半島へ出かけてみませんか。黒潮の流れが間近な南房総は、東京近郊とは思えないほどの暖かさ。黄色いじゅうたんの向こうに広がる海の眺めに期待して出かけましょう。

館山市見物海岸。内房や館山周辺からは海越しの富士山が望める

春はいちご狩りも楽しみの一つ。南房総各地にあるが、人気が高いのでできれば予約を
春と言えば菜の花畑。房総半島では海沿いを中心に年末から菜の花畑が見られ、3月には真っ盛り。かつてはもちろん野菜として、また菜種油を採るための作物として栽培されていた菜の花ですが、今は景観作物としての栽培が主流となっています。葉っぱを見ると縮れているのは、白菜の仲間から品種改良されたもの。もちろんこれも場所や時期によっては食用の菜花として出荷されています。
海を見下ろす丘の上に広がる「マザー牧場」

海が近い丘の上だから、眺めは格別。体験プログラムも多いので時間に余裕を持っていこう


例年は2月から咲き始める菜の花だが、今年はやや時期が遅くなっていて、その分4月いっぱいまでは楽しめそう

たくさんの動物たちとも出会えるマザーファームツアー。移動はトラクタートレインでのんびり。所要時間約60分(ライド時間35分)、大人1,200円
都心から東京湾アクアラインを渡って約1時間10分、羊やアルパカ、牛などとのふれあいや味覚狩りなど、1年中楽しめる観光ファームです。3月から4月は広大な菜の花畑が満開となり、約350万本が咲き誇っています。このほか春はいちご狩り、ポピー摘みも楽しめます。最新の菜の花開花状況はご来場前にお問い合わせを。
施設名称 マザー牧場所在地 千葉県富津市田倉940-3
電話番号 0439-37-3211
料金 入場料一般1,500円、4才〜小学6年生800円、駐車料金乗用車900円
営業時間 平日9:30〜16:30、土日祝日9:00-〜7:00(季節変動あり)
休み 12月・1月に不定休あり
菜の花に囲まれて走るシーサイドドライブ「房総フラワーライン」

左右に菜の花が咲き誇る中を走る。特に平砂浦周辺のまっすぐな道が見どころ

内房・館山周辺は夕陽の名所でもある。ダイヤモンド富士が望めるのは5月と7月(写真:南房総市)

フラワーライン沿いにある館山ファミリーパークのポピー。このほか白浜フラワーパークや南房パラダイスなど花スポットが沿道に点在している(写真:南房総市)

4月上旬に行くなら桜の名所、館山城へもぜひ。海を見下ろす高台でのお花見は感動的
マイカーで行くならおすすめ度が高いのがこちら。館山から房総半島の南端を海沿いに回って走るルートです。特に洲崎から布良〜白浜にかけては、道路沿いに菜の花が植えられ、海の向こうには伊豆大島も望めます。沿道には白浜フラワーパークや館山ファミリーパークなど花スポットも多く、寄り道しながらのんびり回りましょう。
施設名称 房総フラワーライン所在地 千葉県館山市・南房総市
電話番号 0470-22-3346(館山市商工観光課)
料金 通行自由
いちご狩りや花摘みもできる「道の駅とみうら枇杷倶楽部」

道の駅の付随施設とは思えない広大な菜の花畑。東京ドームが丸ごと入る広さとか(写真:南房総市)
全国道の駅グランプリで最優秀賞を受賞したこともある人気スポット。ここには巨大な菜の花畑があり、食用菜の花摘みも楽しめます。また、GWまではいちご狩りも可能。そのほか体験メニューもいっぱい。ドライブの休憩場所として以上に遊びの拠点としてもおすすめです。暖かい日にはお花畑を望むオープンテラスでティータイムも。
施設名称 道の駅とみうら枇杷倶楽部所在地 千葉県南房総市富浦町青木123-1
電話番号 0470-33-4611
営業時間 9:15-18:00、無休
料金 いちご狩り30分1,100円〜1,700円(時期により異なる・要予約)
花狩り発祥の地に広がる「和田町花園の菜の花畑」

12月から咲き始める菜の花畑。春は黄色一色に染まる(写真:南房総市)

千倉町白間津の観光花狩り園。ストックやキンセンカ、金魚草などが色とりどりに咲き誇っている
古くから花卉栽培が盛んで、観光花狩り園も多い南房総市の千倉町・和田町周辺。国道128号のすぐ横にあるのが、花園の菜の花畑です。ゆるやかな起伏が作られた菜の花畑は、1月上旬から菜の花が見頃に。菜の花の背が高くなった3月には、菜の花に包まれたような記念撮影ができます。
施設名称 花園の菜の花畑所在地 千葉県南房総市和田町花園
電話番号 0470-44-3581(南房総市観光協会千倉観光案内所)
営業時間 観賞自由
車でアクセスならアクアラインの時間差での渋滞回避がカギ
東京から行く場合、東京湾アクアラインが便利。館山道富浦ICで降りれば、すぐに館山市内。ETCなら湾岸道路経由よりも安く、所要時間も1時間あまりです。また、マザー牧場を目指すにも、ETC装備なら君津スマートICが使えるので便利。
南房総に入ってしまえば渋滞の心配はありませんが、週末は行き帰りのアクアラインの渋滞が避けられません。上りはいっそアクアラインの木更津側入口近くにある三井アウトレットパークで道草してから時間差で帰るというのもあり。
高速バスやJR特急を使いこなして快適に
訪れるスポットが決まっているなら、全員が気兼ねなく移動できる公共交通機関を。東京・新宿から南房総への直行バス「房総なのはな号」が便利。平日でも合わせて一日9往復が運行されています。これに加え、地元のバス便を調べておいて効率的な旅を。大規模な宿泊施設では、近くの観光スポットやバス停まで送迎してくれるところもありますので相談を。
電車の場合、マザー牧場なら東京—君津間の特急さざなみを利用し、君津駅からバスを利用。館山・白浜・千倉方面へ向かう場合、外房線の特急わかしおは安房鴨川までなので、行き帰りのどちらかで高速バスを利用した方が自由な計画が立てられそうです。
宿もいっぱい、温泉だって楽しめます!

千葉県は食用菜花の生産日本一でもある。こちらは菜の花の塩昆布あえ(写真:南房総市)
東京から日帰りできる場所だからこそ、泊まりで朝夕の静かな時間を満喫しましょう。海越しに富士山のシルエットを望む内房・館山、太平洋から昇る朝日を拝める白浜・千倉・鴨川など、客室や浴室からの眺めもお楽しみ。
また、南房総ではあまり温泉のイメージがないかもしれませんが、実はたてやま温泉郷や白浜温泉、鴨川温泉、勝浦温泉など、海沿いを中心に温泉地は多彩です。もちろん、夕食は地魚やアワビ、サザエなど新鮮な海の幸が迎えてくれます。家族的なもてなしの一軒宿から、設備充実のリゾートホテルまで、好みで選びましょう。
(2018年3月23日公開)
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